オペロンのビール日記

毎日おいしいビールを飲んで生きていきたいです。

[書評]やりたいことをやるというビジネスモデル―PASS THE BATONの軌跡

おなじみスープの専門店Soup Stock Tokyo、ネクタイのブランドgiraffeをプロデュースする遠山正道さんの新刊です。(ぼくもgiraffeのネクタイ・シャツ共に愛用しております)リサイクルショップPASS THE BATONについて書かれた本です。丸の内店はたぶん行ったことありますが、あまり覚えていません。

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モノにまつわるストーリー

PASS THE BATONの特徴を説明する上で外せないキーワードはストーリーです。

シブヤ大学でPASS THE BATONのイベントを行いました。
場所は、渋谷にある廃校になった学校(旧原宿中学校)
30人程度の参加者がそれぞれモノを持参し、教室のテーブルに並べました。
私は正直、思いました。
選ばれた人ではない、一般の参加者がただ持参したモノ、ただの学校の教室のテーブル、さすがにこれでは魅力的になりようがない。これはちょっと無理があった、と。
まずモノだけを見て、単純に欲しいものに値段をつけてもらいました。その後で、皆で実際にパスザバトン表参道店に行き、お店の雰囲気などを見てもらい、教室に戻ってからモノにそのストーリーをコメントとして書き込んでもらいました。
次に持参者によるストーリーが披露されました。

私は正直、驚きました。
ストーリーを聞く前と聞いた後では、モノが全く違って見え、価値が違って見えたのです。

ふと小山薫堂さんのエピソードを思い出しました。

小山さんが教える大学の授業で準備されたカレーライス。はじめ生徒たちはそのカレーに興味を示さないものの、その作り主である鈴木さんのストーリーを聞くと、生徒はこぞってカレーライスを食べたくなります。オチはその鈴木さんの息子は野球選手のイチローだった。

って話なんですが、まさにこれもカレーライスにまつわるストーリーにこそ価値があるのです。
誕生日にもらうプレゼントだってそうです。高いブランド品をポンって渡されるよりも、手作りのケーキをもらう方がその人がかけてくれた手間を想像できて嬉しいものです。

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 ▲ちなみにPASS THE BATONで特集しているminä perhonenの食器がとてもステキです。(こちらから買えます。)

まとめると『モノより思い出』ってことで。

やりたいことをやるというビジネスモデル―PASS THE BATONの軌跡

やりたいことをやるというビジネスモデル―PASS THE BATONの軌跡

 

ちなみにmina perhonenの皆川明さん/パタゴニア日本支社の辻井隆行さん/FREITAGのマーカス・フライターグ&ダニエル・フライターグと遠山さんの対談も載っています。